その気持ち、痛いほどわかります。
企業のホームページは情報の宝庫ですが、どこを読めば良いのかわからないのがホンネだと思われます。
この記事では、毎日数十以上の企業ホームページを読み込んでいるM&Aブティックファーム社員が誰でも出来る企業研究の仕方を伝授します。
効率よく・スピーディに企業について理解を深めたい。転職先の企業をもっとよく知りたい。
そういった考えを持つ方にとっては有用な記事になっております。じっくりと読み進めてくださると幸いです。
会社概要
「企業情報」「COMPANY」「企業概要」と表記されるのが一般的で、シャレたベンチャーですと「About us」とか記載されます。
会社名、住所、資本金、代表者名はどの会社でも記載されていることが多いですね。
上場会社ですと上場区分、今期の売上高が記載されている所もあります。
大きい会社ですと、無用な営業電話を避けるために電話番号が記載されていないこともあります。
採用ページ
採用ページ企業を全力で紹介している部分なので、企業研究に役立ちます。
どのような社員が在籍し、どういった働き方をしているかを知ることが出来るため便利です。
「採用情報」「新卒採用」「採用ページ」といった表記で書かれていることが多く、仰々しいアニメーションが流れがち。
会社の歩み(沿革)や理念(経営ビジョン)が新卒の学生にもわかるよう図や動画で紹介されているため、サクサク理解できます。
ダイレクトに「求める人物像」が書かれていることも多く、転職の際には必ずチェックしておきたいページと言えるでしょう。
IR資料室

IRとはIR(Investor Relations)の略称であり、企業が株主・投資家向けに経営状況や財務状況を広報する活動を指します。
IR情報が充実している=株主に対して積極的に情報を開示する姿勢のある企業。
という連想がはたらき、IR活動をまじめにしていない企業より株価が高くなる傾向にあるとされています。
IR資料室は上記のような非常に有益な情報がこれでもかと詰め込まれていますが、はじめて企業研究をする方に目を通しておきたい資料は以下の3つです。
- 決算説明会資料
- 中期経営計画
- 決算短信
順をおって解説します。
決算説明会資料
決算説明資料は、会社の全体感を掴むのに最適な資料になります。
決算期の業績、事業毎の状況、今後の経営戦略が書かれています。図解付きで。
会社の過去・現在・未来をざっくりと理解でき、後述する中期経営計画や決算短信の一部が記載されていることもあります。
経営課題や、経営方針についてハッキリ書かれていることもあるため、調査企業の持つ弱点を知りたい時には要チェックです。
中期経営計画
中期経営計画は、3~5年程度のスパンで見た企業が目指すべき方向について記された計画です。
今後の数年感で目標とすべき定量的な数値と、目標を達成するための取り組みや戦略。
これらが書かれており、会社の未来がぼんやりと予測できる資料になっています。
もちろん、現実は計画通りにはいきません。
「この通りになる」という資料ではなく「経営陣はこうしていきたい」という姿勢を理解するための資料と言えるでしょう。
決算短信
決算短信は企業の成績表のようなもので、財務状況を把握出来る便利な資料です。
決算短信には経営状況への所感と貸借対照表(BS)、損益計算書(PL)、キャッシュフロー計算書(CF)といった財務諸表が記載されています。
BS.PL.CFはおおまかに以下の要素を知ることが出来ます。
- 貸借対照表 BS 会社の資産と負債の内訳
- 損益計算書 PL 会社の儲け
- キャッシュフロー計算書 CF 会社のお金の流れ
細かい解説記事は後日、執筆いたします。
動画で解説されている方もいらっしゃるので、ご参照ください。
実際に気になる企業の決算書を見ながら視聴すると、理解が一気に深まるのでおすすめです。
余裕があったら見たほうが良いページ
余裕があるなら、全ページみてください。
おそらく、そのような時間はないと思われるので「どこまでやるか」という話になりますが時間があるなら全てのページを見るべきです。
業務で一日数十社を見ないといけない場合でないのなら、じっくりと時間を書けて読み込みましょう。
企業理解を深めることで、対象企業だけでなく業界への理解も深まるため、調査にかけた時間は決して無駄にはなりません。
未来の自分のためにも、調べられるだけ調べ尽くしてください。
おわりに
以上が、1時間程度でサクっと企業を理解するために知っておくべきホームページの見方・ポイントについてでした。
やろうと思えば1時間程度で調べることが出来ますが、この1時間が面接・商談の明暗を分けます。
企業分析・業界理解は技術ではなく努力の領域です。

調べていないと当然「その程度の準備もしていないんだ」と白い目で見られてしまいます。
たったそれだけであなたが低い評価を受けるのは非常にもったいないです。
転職面談・商談の際は今回紹介したページだけでも目を通していくのがベターと言えるでしょう。
