年収ランキングでトップに位置する職業、M&Aブティックファーム。
株式会社インディバル運営の国税庁・厚生労働省などの公的機関から公表されている各種統計データ、企業から発表された決算データをもとに調査された「年収ハッカー」では全4264社の中で2.3位にランクイン。
東洋経済の記事『生涯給料!「全国トップ500社」最新ランキング』でも1位と3位はM&A業界がランクインしています。
1位のM&Aキャピタルパートナーズは平均年収2478万、生涯年収10億7394万円を記録。
なぜここまで高収入なのか?そして、どうやったらM&A業界へ転職することが出来るのか?
この二点について、M&Aブティックファームへの転職を成功させたわたしが解説していきます。
M&A業界への転職を考えられている方にとっては必ず発見のある記事なので、じっくりと読み進めてください。
案件担当者へのバックが大きい

M&Aでは動く金額が大きいため、もらえるフィー(手数料)も高くなる傾向にあります。
一般的にM&Aの手数料体系にはレーマン方式というものが使われ、売却価格が高くなるほど仲介・アドバイザリーがクライアントから頂く手数料は膨れ上がります。

例えば20億程度の中規模な案件を成立させたとします。
すると手数料は500万×5+400万×5+300万×10=2,500+2,000+3,000=7,500万になります。
もう一度確認しますが、これは動かした金額ではなくM&Aブティックファームに入ってくる金額です。
会社に入るお金が多い分、経営に余裕が出来るため案件を決めた担当者へのバックも十分に支払うことが出来ます。
バックの料率が高い会社では、担当者(32歳)が売上の30%をバックしてもらうという案件もありました。
仮にそのような料率の場合、7500万の案件を決めることによって2250万円の給料アップになります。
成果によっては大きく稼ぐことの出来る、夢のある職業と言えるでしょう。
売上高営業利益率が40%以上
そこまで高額なバックを払うことができるのには、理由があります。
M&Aは非常に収益性の高いビジネスモデルなのです。
M&A仲介会社、M&Aセンターの2020年3月期の決算短信によると売上高320億円に対し営業利益は142億円。
売上高営業利益率は実に44%です。
それもそのはずで、M&Aというビジネスでは人件費以外に大きな経費が存在しません。
在庫は不要で極端な話、能力の高いビジネスパーソンと電話・パソコンがあれば成立します。
このように余裕が生まれやすく収益性が高いビジネスモデルのため、案件担当者は高いバックを受け取ることが出来るのです。
仲介等では「完全成功報酬」の形態でオーナーと契約を結ぶことが多く、案件を決めなければ一銭も入ってきません。
そのためベース給は低く、結果を出さなければずっと400万~600万の間をウロウロし続けるハメになります。
若くても給料が上がる反面、いくら年齢を重ねても結果が出なければ給料が上がらないシビアな業界です。
実働人数が少ない

扱う案件の規模にもよりますが、数十億程度の案件でしたら数人で回すことが出来ます。
極端な話、ソーシング(営業)・エグゼキューション(相手企業との交渉~クロージングまでにある実務の実行・管理)ができる人材がいれば一人で案件をクローズに導くことが出来ます。
先程のように20億規模の案件があった場合、利益を一人で総取りすることが出来るのです。
二人でやったとしても、一人頭1000万の給料アップ。しかもこれは1件の話なので、複数件決めることが出来ればより多くのリターンを得ることが出来ます。
少人数で稼働できる・在庫不要・収益性の高いビジネスモデル。こういった要因から、社員は高い給料を得る事ができるのです。
M&A仲介・アドバイザリーに必要なスキル

M&Aはビジネスの総合格闘技と言われるように、広く・深い範囲の知識が求められます。
公的な資格はなく、法務・財務・税務に関わる知識に加えコミュニケーション能力、交渉力が必要です。
とはいえ、入社前にやれることや面接までに準備できることは時間の関係から限りがあります。
結果、まず最初に学ぶべきは「決算書(BS.PL.CF)の読み方」です。
決算書(BS.PL.CF)は企業の体調を表す診断書のようなものなので、ここが読めないと話になりません。
決算書は会計の知識を得ることで読むことが出来ます。
弊社の社長も面接時に言っていたましたが、まずは簿記2級の取得からはじめてみてはいかがでしょうか。
Youtubeを使えばおもしろいYoutuberさんが楽しく会計・財務情報について解説している動画もあるので、ご活用ください。
おすすめ動画をおいておきます。
M&A仲介とアドバイザリーの違いがわからないと、面接や働き方を考える上で大きく食い違いが発生してしまします。
関連記事を置きますので、「どういう違いがあるんだろう?」と疑問に思った方は理解を深めてください。

M&A業界に向いている人

M&A業界に向いている人は、人生において仕事の優先度が高く、生涯学び続ける意思がある人です。
M&A業界は相手ありきの商売のため、クライアントの意向がすべてです。
働き方は相手をする社長・企業によって変化し、複数案件を抱えると土日も問答無用で仕事まみれになります。
わたしも案件が立て込んだ時は、朝9:00~夜26:00というわけのわからない勤務体系になっていました。
年齢が若くても高収入を得られる業界は激務なことが多く、まったりワーク・ライフ・バランスを満たす。
そういった幻想を抱くのはやめたほうが良いでしょう。ぶち砕かれます。
また、扱う知識が広く・深いため際限なく勉強する必要のある職業でもあります。
モーレツに働き、マグロのように動き続ける覚悟がない場合はおすすめしません。
心か身体が壊れてしまいます。
ですが仕事を優先し、生涯学び続ける意思がある方にとっては「常に学び続ける事ができ」「結果が大きく給与に跳ね返る」最高の職業と言えるでしょう。
まとめ
以上が、M&A業界が年収ランキングでトップに位置する理由、転職に必要なスキルについてでした。
- 理由① 収益性の高いビジネスモデル
- 理由② 経費がかからず少人数で実行できる
- 必要なスキル 決算書を読むスキル(簿記)
M&A業界は証券会社等へ直接入る場合はハードルが高いですが、独立系のブティックファームなら未経験でもチャンスがあります。
実際、わたしも多くの転職エージェントを利用し未経験でM&Aブティックファームへの転職を成功させました。

M&A実務ができない(テレコールのみ)、案件規模や働き方が自分の考えているものと違う。
そういったズレさえなければ、あとは入れるブティックファームで力をつけていきましょう。
未経験で入れれば儲けものです。
実務で経験を積み、最終的に希望のファームへ進めるように職務に全力で臨んでいただけると幸いです。
M&A業界の求人が多数紹介していただいた転職エージェントを記事にまとめました。ご参考ください。
