2020年5月、M&A仲介大手のストライクが大量採用計画を発表しました。
この記事では、M&Aブティックファーム現役社員の目線からストライクの積極採用からみるM&A業界の動向。
なぜM&A業界への転職は今がチャンスかについて解説していきます。
ストライクによる大量採用計画
M&A会社で上場している数少ない会社の一つ、株式会社ストライク。
ストライクは2022年8月期をターゲットに、現在131名のコンサルタントを1.5倍の200人に増やす方針とのことです。
採用活動は事業承継ニーズの増加、企業の事業切り出しを背景に行われておりM&Aの需要増が見て取れますね。
ストライクは「不景気こそ優秀な人材を手に入れるチャンス」と述べており、M&Aへの転職を考えている方にとっては良いニュースだと言えるのではないでしょうか。
求められている人材
ストライクの大量採用記事によると、買手の探索を強化とあるので「ソーシング人材」を求めていると予想できます。
ソーシングはM&A業務の一つで、ざっくり言うと新規の会社とコネクションを作る業務です。下記の記事で詳しく記載しているので、ご参照ください。
https://www.bolzoiblog.com/wp-admin/customize.php?url=https%3A%2F%2Fwww.bolzoiblog.com%2F
ソーシング人材は門戸が広く、営業経験があり実績を出している方ならどのような業種の営業でも歓迎されます。
法人営業かつ無形商材を扱っている場合がベターですが、必ずその条件に合致していなくとも問題ありません。
事実、ハウスメーカーの営業マンがM&A業界への転職を成功させた事例も観測されています。
募集要項はあくまで「弊社の採用したい完璧な人材の理想像」なので、ある程度好感を持てば採用します。
履歴書・職務経歴書で落ちてもなんのデメリットもないので、ガンガン希望先に送っていきましょう。

M&A業界の今後
M&A業界は「高齢経営者による事業承継難」「ベンチャー企業による出口戦略」「事業会社による選択と集中」の三軸によって需要が高まると予想します。
順をおって解説します。
高齢経営者による事業承継難
経営者の年齢層は際限なき上昇を迎え、2025年にはボリュームゾーンが70代になりと言われています。
事業承継の対策をしている経営者は少なく、東京商工会議所のアンケートによると調査に加わった半数以上の経営者が後継者探しや承継対策を行っていません。
これからも事業承継問題は増え続けるため、ニーズも増加していくと予想されるでしょう。
ベンチャー企業による出口戦略
テクノロジーの発達と資金調達がバンバンできることからベンチャー企業が乱立していますが、すべての企業が上場できるわけではありません。
上場が厳しくなった企業も事業を続ける必要があり、「やーめた」となれないのが経営者です。
そんなベンチャー経営者にとってM&Aは「キャッシュを手に入れつつ事業もストップできる」という一石二鳥な戦略です。
コロナの影響でダメージを受けた企業や事業時は多く、今まで通りに事業を続けることの困難さを多くの経営者が感じたはずです。
今後、ベンチャー企業によるM&Aは増加していくと言えるでしょう。
事業会社による選択と集中
より正確に言うなら、子会社をぶら下げた巨大な事業会社による選択と集中です。
複数の子会社や事業を有する企業は、当たり前ですが事業によってパフォーマンスにバラつきが発生します。
主力となるコア事業だけで構成されず、足を引っ張るノンコア事業が湧いてきます。
そのようなお荷物事業を切り離す動き(カーブアウト)が今後事業会社で発生していき、コア事業への経営資産の集中が行われるでしょう。
結果として、M&Aアドバイザリーの需要が増えるため業界はプラス方向へ向かっていくと考えられます。
M&A業界への転職は今がいい理由
M&A業界への転職を今すすめる理由は以下の二点です。
- 一時的に業界の勢いが落ちている
- 今後の需要は高まっていく
詳しく解説していきます。
一時的に業界の勢いが落ちている
株式投資の基本は「安く買って高く売れ」といいますが、これは転職活動にも当てはまります。
2020年4月のM&A件数は約250件(レコフ M&Aデータベースより)。ここ一年間でほぼ最低水準を記録しています。
1年前の2019年7月は350件の取引があったため、その時期と比べると大きく落ち込んでいると言えるでしょう。
業界全体の市場は伸びていくのに、勢い事態が落ちている。
このような状況は真面目に調べている志望者でないと気づけないため、タイミングとしては落ち込んでいる今がチャンスと言えます。
今後の需要は高まっていく
少子高齢化が続く限り、今後、M&A業界の需要は高まり続けます。
家業を継ぐという考え方もなく、情報社会が進むに連れ人々の人生は多様化していきます。
承継難・ベンチャーのIPO難は続き、M&A件数が増えることによって経営戦略の選択肢の一つとしてM&Aが挙げられる可能性はグングン上がっていきます。
今後・需要が高まるのは明らかだと言えるでしょう。
おわりに
以上がM&A仲介大手の積極採用から見るM&A業界の動向、M&A業界へ転職チャンスかについてでした。
業界が絶好調な時の転職は難易度が高く、特殊なスキルや若さが求められます。
ですが、一時的に業界が落ち込んでいる時は相対的に転職難易度は落ち込みます。
M&A業界に特化した転職エージェントはありませんが、わたしが利用したM&A求人を比較的に多く扱っている転職エージェントをまとめました。

これらの転職エージェントを利用し、有利な条件でM&A業界への転職を成功させましょう。