M&A転職

M&A業界の人っていったい何やってるの? | 新人ソーシング担当の一日

M&A業界への転職が気になるけど、実際何やっているかわからない。

このような方も多いのではないでしょうか。

現役M&Aブティックファーム社員の私が、新人の頃を思い出しながら一日の流れを記します。

ソーシング業務はM&A案件を作るまでの業務を指します。

ソーシングとエグゼキューション業務の違いについては、こちらの記事で詳しく書いてるのでご参照ください。

ソーシング担当一日目の流れ

午前9時 テレコール

わたしはバイサイド・セルサイドどちらに対してもテレコールをしますがセルサイド、オーナー社長を狙う場合は午前にテレコールをします。

午後は打ち合わせが入っていることが多いため、午前に電話したほうが繋がりやすい傾向にあるからです。

つながらなくても「電話をした」事実は残り、送付した書類等を見てくれたり折り帰りがあります。なので朝のうちに電話するのは必須と言えるでしょう。

時間を聞き出した場合は、午後やオーナーがいらっしゃる時間にもう一度架電をしていくという流れになります。

午前12時 資料作成とランチ

午前中に上司から頼まれた資料の作成をし、時間があればオフィス付近の飲食店でランチをします。

メンバーは基本的に外交に出ていることが多く、会社の人とランチが発生することはほぼありません。週一あるかないかですね。

新入社員の方が入った時を除き、弊社ではほとんど個々でランチをとっています。

午後1時 業界調査

ターゲット企業はセクター分けされていないので、アポイントを取った先が異業種の場合は業界から調査していきます。

SPEEDAや矢野経済研究所等の検索ツールを使い、業界の全体感を掴んだ後に個社別の調査をするイメージです。

会話の内容は事前に同行する上司とミーティングすることが多く、準備の仕方や方向性についてもこのタイミングで質問します。

ちなみに「どうやって準備したら良いですか?」というような脳死の質問をするとブチ切れが発生するので、お気をつけください。

ボルゾイ
ボルゾイ
わたしは××といった理由から○○のような準備方法で進めたいと考えています。進め方に問題はないでしょうか?

といった質問の仕方がベターです。

午後3時 取引先と面談

セルサイドならオーナー社長。バイサイドならファンドの方や事業会社の経営企画の方と面談します。

M&Aについての戦略、売却・買収についての考えについて聞くのがメインです。

売手側・買手側からみたM&Aの流れは下記に記載していますので、ご参照ください。

1~1.5時間程度面談をし、次のステップにすすめていきます。

午後4時 フィードバックとメール作成

面談後、上司からの鬼フィードバックとお礼メールを作成します。

面談中に作成した議事録をまとめ、上司に提出・チェックしてもらいます。

午後6時 チームミーティング

このタイミングで週に一回のチームミーティングを行います。

ソーシングの動きや案件ごとの動き、案件フェーズ(NDA、FA契約等)をチェック。改善に向けた行動を話し合います。

ソーシング担当は月の目標数字が課されているため、達成していないと詰めがスタート。

証券会社の時とは違い、無駄に長く詰めないため時間がかなり圧縮されますが論理的に詰められるため精神的負荷はより高い傾向にあると言えるでしょう。

午後7時 ターゲット先のピックアップ

DMを発送するため、東京商工リサーチ・SPEEDA・レコフ等を利用しターゲット先をピックアップします。

適切に絞ってDM・電話をすることで反応率は高まり、売手オーナーや買手との面談が実現しやすくなるのです。

この部分のノウハウについては後日執筆予定なので、しばらくお待ち下さい。

午後10時 退勤

午後10時頃に退勤し、あとは家に持って帰って仕事をします。

企業の調査、ターゲット先の選定、リストの作成、やれることは無限にあるため此処から先は自分との戦いと言えるでしょう。

案件が進むと提案資料の作成も行うため、さらにやることが増え一日24時間ではまったくたりないお仕事マシーンになります。

案件を決めさえすれば報酬が一気になだれこむので、先行投資と思って仕事をやりきりましょう。

その他のイレギュラーな出来事について

新入社員とのランチ会、会社の飲み会、取引先との会食等がイレギュラーで発生します。

取引先との面談も多いときは一日に2~4件あるので、他の作業時間がとれずどんどん仕事は積み上がります。

アポイントが取れたら取れた分だけ仕事が増えるので、うまく成果を出せば出すほど時間がなくなる。結果、土日も仕事をすることになるのです。

仕事の優先度が人生の中で高い人にとっては最高の職業だと言えるでしょう。

M&A業界への転職を考えている方へ

高い給与を得るということは、その代わりになにかを捨てなければいけません。

家族との時間、何もしない休日、過去の仲間との頻繁な飲み会。こういったものは切り捨てないと時間が足りません。

仕事外の人間関係を作る暇がなくなり、激務によって精神や身体を壊してしまう方もいます。

ベースも400~800万程度で高くないため、成果が出ない場合はしんどいだけの業界といえるでしょう。

一方、他業種では30年かけても稼げない金額を数年で稼ぐことも可能な業界なのも事実。年収ランキングでも常に上位をキープしています。

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おわりに

以上が、新人ソーシング担当の一日についてでした。

M&A仲介の方はこういった案件創造(オリジネーション)の仕事をすることが多いので、イメージの一助になれば幸いです。

FAは主にエグゼキューション、M&Aの実行がメインです(FAと仲介の違いについてはこちらの記事をご参照ください)。

しかし分業がされていない会社ではソーシングからエグゼキューションまで一気通貫で行うことがあります。

転職希望の会社ではしっかり面接でどのような業務をやるのか聞いておくと転職後のギャップも発生しにくいです。

働き方・業務内容をしっかりと理解して面接に臨み突破率を少しでも上げていきましょう。