M&A転職

【未経験からのM&A転職】知らないと損するM&A業務 |ソーシングとエグゼキューションの違いとは?

M&A業界へ入ってみたいと思うものの、実際どのような業務をしているのかわからない。

未経験だし、入社したらどういった業務が割り振られるんだろうか。

このように不安に思われている方、いらっしゃるのではないでしょうか。

この記事では実際にM&Aブティックファームで勤務しているわたしが、M&Aにおける主業務「ソーシング」「エグゼキューション」の違いを解説します。

この2つはまったく性質が違う業務であり、中身を理解しないまま面接に臨むと高確率で落とされてしまいます。

万が一転職が成功したとしても、自分の理想とズレが生じたせいで離職。

こんな事態に陥る人を何人も見てきました。

そうならないためにも、M&A業界への転職を考えられている方は必ずこちらの記事に目を通してください。

では、早速見ていきましょう。

ソーシングとは?

M&A業務におけるソーシング業務とは「買収先ターゲット企業の選定と交渉」を指します。

ソーシングの具体的業務内容
  • 対象企業(売手)の選定
  • ロングリスト・ショートリストの作成
  • 対象企業へのDM・テレコール
  • 対象企業との交渉

ひらたく言うなら、買手にマッチする売手を探す営業活動です。

買手(事業会社orファンド)と面談しターゲットを聞き出した後、ザッと数十社ほど希望にあいそうな会社をピックアップします。

これを「ロングリスト」と言い、このリストを基にもう一度買手と面談、磨いていきます。

M&Aは会社の結婚のようなものなので、理想の相手選びのようなものと考えてください。

年収・職業・性格といった要素で微妙な候補先を弾いていき、自分にマッチする異性を探す。

それで十数社に絞ったものを「ショートリスト」と言います。

あとはショートリストを基にDMなり電話なりで対象企業へアプローチ。

めでたく相手も興味があるなら面談・売却交渉へ移ります。

このように、相手を探しM&Aをスタートさせるまでがソーシング業務です。

専門知識よりも案件を作るパワーが重視される傾向にあり、営業力が試されます。

ハウスメーカー・保険・証券等の出身者が多く、法人営業の経験を持った方が優遇される傾向にあります。

また、ここで紹介した一連のソーシング業務は「オリジネーション」とも言われるため、注意が必要です。

エグゼキューションとは?

エグゼキューション業務は、M&Aに係る一連の流れを実行・管理することを指します。

ざっくりまとめると以下の通りです。

エグゼキューションの具体的業務内容
  • 基本合意に向けた交渉
  • 対象会社の企業価値算定(バリエーション)
  • DDの実行(専門家と連携)
  • 最終合意への交渉
  • クロージング

エグゼキューション担当はソーシングによって生み出された案件を実際にまわしていき、成約に導く。

会計士・弁護士・税理士といった専門家と連携しM&Aを実行・管理していくのが主な業務内容になります。

会計・税務・法務に関する広範囲かつ深い知識が求められ、専門性が非常に高い業務と言えるでしょう。

価格の交渉もエグゼキューション担当者の仕事であり、高くするか安くするかは担当者の腕次第です。

企業の機密情報に触れる機会も多く、高いコンプライアンス意識も求められます。

この業務をこなせる人材は希少性が高いため、転職市場でも安定して高給を得ることが予想されるでしょう。

正しく業務を理解することで面接を突破する

上述したように、ソーシングとエグゼキューションは業務・役割がまったく違います。

企業によっては「ソーシング担当で入社した人材はずっとソーシング担当」という分業が徹底されている場合があります。

M&Aの会社に入ったのに案件に関われず、電話を延々とし続ける。そういった事態に陥ることもあるのです。

また、業務への理解が浅いと営業力が自慢なのにエグゼキューション担当として応募してしまう危険性もあります。

結果、意味不明なセールスを面接官にしてしまい一発退場ということになりかねません。

具体的な業務内容を知ることで、的確な逆質問をすることもできます。

M&A業務に対する理解は深めておいて損はありません。

未経験の狙い目はソーシング

未経験からのM&A業界への転職を考える方には、ソーシング担当としての転職をおすすめします。

これはソーシングがラクというわけではなく、エグゼキューションの壁が高すぎるからです。

エグゼキューションはソーシングに比べ専門性が非常に高く、未経験で食い込むのは難易度が高いと言えるでしょう。

一方、ソーシング担当はエグゼキューションに比べると専門性が多少低くてもねじ込む事ができます。

エグゼキューション志望者
エグゼキューション志望者
でも、M&Aブティックファームに入るからには案件を回したい。専門性がない場合は諦めたほうがいいのかな?

もちろん、諦める必要はありません。

最終的にエグゼキューションも担当できる小規模な企業を選び、ソーシングしながら案件に触れ専門性を高めていきましょう。

自身の実力がつく頃には、エグゼキューションも担当させていただけるようになります。

未経験ソーシング担当の場合「法人営業の経験「M&Aをやりたい熱意」「業界への理解」が試されます。

日々M&A業界の情報にアンテナを張り、面接で自分なりの考えを話せるようにしていきましょう。

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アクシスコンサルティング」や「JACリクルートメント」といったハイキャリア・M&A業界等に特化した転職エージェントでないと求人はおろか、M&Aについてのキャリア相談をするのすら困難でしょう。

M&A業界は求人の絶対数も少ないため複数の転職サイト・転職エージェントを推奨しています。

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事実、わたしは20社以上の転職サイト・転職エージェントを利用。30人以上の転職エージェントと面談し法人営業未経験の状態からM&Aブティックファームへの転職を成功させました。

募集要項にまったくカスっていなくとも、担当のエージェントに職務経歴書の書き方をレクチャーして頂いたからなのか、面接までこぎつけることは出来ました。

あなたも転職エージェントを使い倒し、自身の転職のチャンスを最大化してください。

おわりに

以上が、未経験からのM&A転職で知っておきたいソーシングとエグゼキューションの違いについてでした。

一言でM&A業務といっても、与えられる役割は完全に別物と言えるでしょう。

求人も「ソーシング担当」「エグゼキューション担当」と書かれている事が多いため、業務内容への理解が浅いと問題が生じます。

もし仮に中身をよく知らないまま内定を勝ち取ったとしても、転職後に業務内容へのギャップで苦しんでしまいます。

また、弊社の採用担当者から聞いた話だと、M&A仲介・アドバイザリーの違いについてもあいまいな求職者が多いとのことです。

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ここを踏み込んで理解するだけで他の求職者より一歩、リードできます。

業務内容についての知識はあなたの立ち位置や働き方を決める重要な情報なので、絶対にチェックしてください。

気持ちよく転職を成功させるためにも、M&A業務への理解をどんどん深めていきましょう。

M&A業界を目指す方のためにおすすめする本当に役立った転職サイト