転職エージェントって便利だけど、なんで無料なのかよくわからない。
転職エージェントがどういう意図で紹介しているかわからなくて、助かるけど正直不安。
このように考えている方のため、なぜ転職エージェントが無料で利用できるのか？
その知られざる報酬の仕組み、ビジネスモデルについて解説いたします。
なぜ転職エージェントを無料で利用できるのか
転職エージェントのビジネスモデルは人材と企業のマッチングです。
転職エージェントが無料でもらえるのは、転職エージェントへのお金を求職者ではなく企業が払っているからです。
企業から採りたい人物像を聞き、それを受けて求職者からも行きたい企業や志向をヒアリング。企業と求職者にとって理想的なマッチングを行います。
そして適した人材の紹介手数料として企業が転職エージェントにはらうというシステムになっています。
商材は「人」のため、原価がかからず非常に利益率の高いビジネスモデルだと言えるでしょう。
転職エージェントの紹介手数料について
転職エージェントは求職者と企業をマッチングし、企業と雇用形態を結んだ状態ではじめて報酬（紹介手数料）が発生します。
紹介手数料は一般的には転職時の年収×30～35%程度が相場になっています。400万なら120万円。1,000万なら300万円が利益です。
こういった仲介手数料で儲けるのはM&Aに通ずるところがありますが、回転率が段違いです。
彼らにとって重要度の高いの顧客は企業
転職エージェントにとって重要度が相対的に高い顧客、お金を払ってくれる企業です。
求職者を企業へ紹介しなければ報酬を得ることはできず、人材紹介会社が成り立たないからです。
そのため設立したての人材会社や、会社の存続が危うい企業は余裕のないカウンセリングをしてしまう傾向にあります。
設立時期・企業の規模もカウンセリングの質に関係してきます。
はじめての転職エージェント利用は業界で老舗と言われるところか、大手の利用がおすす目だと言えるでしょう。
転職エージェントの裏事情
転職エージェントはボランティアではなく営利団体なので、利益を出す必要があります。
利用する側からは見えにくい、転職エージェント側の利益や求職者への対応といった裏事情を解説します。
営業ノルマがある
転職エージェントも売上を作らないといけないため、各エージェントには営業ノルマがあります。
「7月は10人、年収500万帯の人間を転職させる」
このように転職・紹介ノルマがあるため、成績の悪い転職エージェントに当たると通過しやすいひどい企業をプッシュしてくることもあります。
ノルマを満たしていないとカウンセリングに余裕のなさが現れるため、雑で配慮のないサービスを提供されることになります。
ノルマがあることを念頭に置いて対応することで、エージェントの質が見えてくると言えるでしょう。
高収入の求職者が優先される
転職エージェントの売上は紹介する転職者の年収によって左右されるため、高年収の方が厚遇される傾向にあります。
求人も多くもらうことが出来、選択肢が広がっていくので一社で選びきれない魅力的な求人をもらえたりします。
逆に求人が制限される可能性もあるため、求人数が少ないな。良いの見つからないな。
と感じたら他所のエージェント利用をおすすめします。
合ってないと感じる求人をプッシュされる
転職エージェントの報酬は「求職者を転職」させないと一切はいらない仕組みになっています。
そのため、営業ノルマ未達の転職エージェントは死ぬ気でこちらを転職させようとしわけのわからない求人を猛プッシュします。
労働環境が悪いorあなたの職歴・学歴ならラクに入ることの出来る求人を渡してくるわけです。
このプッシュに負けてしまいそうなときは、転職経験者か転職で年収をあげた方に相談してください。
アドバイスを受けていると、どうしても「このひとから決めないと申し訳ないな」という気持ちが生まれますが、グッと我慢です。
そこで相談しないがゆえに、まったく希望しない派遣のSEに転職させられ2ヶ月で退職した方を知っています。
転職は人生を左右するイベントの一つなので、慎重に行動していきましょう。
それでも転職エージェントを使ったほうが良い理由
転職エージェントにとっての利益や紹介目的を知った上でもなお、転職エージェントの利用をおすすめします。
転職エージェント自体は「履歴書・職務経歴書添削」「面接対策」「日程調整」「年収交渉」と多くの転職実務をアウトソーシングできる便利な存在だからです。
上記に加え、転職エージェントを利用したほうがいい理由を2つ挙げます。
面接のフィードバックを得ることが出来る
転職エージェントを使ったほうがいい最大の理由の一つに、面接のフィードバックがあります。
通常、転職面接の際は面接後に合否しかしることが出来ません。
転職エージェントを利用すると、企業から転職エージェント経由で面接のフィードバックを受けることが出来ます。
そのため自身の転職面接での強みや弱み、改善点を把握できるのです。
そのため、希望する企業は一つにするのではなく複数にするよう推奨しています。
多くの企業で面接経験・フィードバックをもらうことで業界の面接傾向や自身のクセが把握できるからです。
フィードバックを活用し、自身の面接技術を高めていきましょう。
給与交渉を喜んでやってくれる
転職エージェントの利益は転職者の給与によって左右されます。
そのため転職エージェントは、どうにか給与を高くしようと企業側と交渉を行ってくれます。
より好条件での転職を希望するならば、直接応募よりも転職エージェント経由での転職がおすすめだと言えるでしょう。
おわりに
以上が、転職エージェントが無料な理由と裏事情についてでした。
転職エージェントは有利に転職を進めることの出来る反面、能力の低いエージェントにあたった際は望まない転職に誘われる危険性があります。
ビジネスモデル上仕方ないとは言え、無料で転職エージェントを使うことに対して「ここまでやってもらったし話を聞かないのも悪いな」という気持ちになるかもしれませんが、気にしなくていいです。
そのリスクがあるからこそ、転職エージェントの報酬も大きいわけですから。
相手の立場、自信が得られるメリットを理解さえすれば転職エージェントは非常に有用なサービスです。
かしこく転職エージェントを使い倒し、理想の転職を実現させましょう。
